大切な家財道具を他人に運んでもらうのが引越しです。
人間のやることですからミスは付き物ですし、これだけたくさんの引越しが毎日行われているということは、トラブルも当然あるはずです。何には人災のようなトラブルから不可避なものまで、どんなトラブルが考えられるのでしょうか。また、トラブルを回避するにはどういう点に注意すれば良いのでしょうか。
まず一番に挙げられるのは、やはり家財道具の破損。人間が物を運ぶ以上、必ずこの手のトラブルは付き物です。引越し業者もある程度はこれを織り込んでおり、保険に加入するなどの対策をとっています。引越し見積りの段階で、荷物の破損に対してどこまで保障されるのかを確認しておくと後でトラブルにならずに済みます。
次に荷物ではなく、建物に傷がついてしまった場合です。荷物とぶつかったためについてしまうことがほとんどですが、これは後で気づいても本当に引越し業者がつけたものなのか判断できないため、引越しが完了した際に家の中をチェックすることが大切です。遅くなればなるほど、引越し業者としても対応がしにくくなるので、傷があることが分かったらその場で作業員に伝えましょう。
荷物の紛失というトラブルもよく聞かれます。紛失というのは引越し業者が加入している保険では保障されないことが多く、引越し業者が補償することになります。これもダンボールに番号をつけて数を数えておくなど、依頼者側も何らかの対策を取っておくと後になってトラブルにならずに済みます。さて、引越し業者に寄せられる荷物紛失に関する問い合わせのうち、80%はその後日になってその人の家からひょっこり出てくるという統計があります。荷物が足りないと思ったらまず引越し業者を疑いたくなる気持ちは分かりますが、後になって恥をかかないためにも、まずは自信をもって文句を付けられるだけの探し方をしてからにしましょう。
荷物や建物に直接損害が出ない場合でもトラブルになるケースはあります。中でも一番多いのが時間通りに来なかった、時間に間に合わなかった、というもの。交通渋滞などで遅れてしまった場合は業者も責任の取りようがないので免責とする場合がほとんどです。何らかの事情でどうしても時間内に間に合わないと困る、という場合は見積りの段階でそれを伝えておくことが大切です。もちろん業者側の手配ミスなどで半日以上遅れた、という場合には補償の対象となりますが、それ以外は何も取り決めがなければ遅れが生じても免責となるのが通例です。