引越しの中には特殊な引越しがあります。
特殊、というのは引越しの方法という意味ではなく、運ぶ荷物が特殊という意味です。通常の引越しでは運べない、特殊な荷物とはどんなものでしょうか。
まず一番に挙げられるのがピアノ。ピアノは図体が大きい上に繊細な楽器です。ちょっとした衝撃で音色に影響が出てしまったりしますので、運搬に細心の注意と専門の技術や装備が必要です。ピアノ運送はそのためだけの業者が存在しているくらいですから、それだけ運搬の専門性が高いということになります。大手の引越し業者にはピアノを運搬する専門のスタッフを抱えているところもあるので、その場合はその業者のスタッフに任せることになりますが、中小規模の業者の場合はピアノ運送だけ外部に委託することもあります。
ピアノと同じように大変なのがパソコン。パソコンも家電のひとつなので機械自体を運ぶことは大したことではないのですが、パソコンは周辺機器を含めて接続がややこしく、運び出す時に接続を外したのはいいものの、それを復元するのが大変なのです。依頼者がパソコン上級者であれば自分で簡単に復元できるのですが、パソコンを持っているからと言ってパソコン上級者とは限りません。その場合は引越し業者側に専門のスタッフが必要になります。
特に引越し先でインターネットの接続や設定をするとなると、さらに専門性が高くなるので、専門知識を持ったスタッフを配置して関連のサービスを行っている引越し業者もあります。
運ぶものは普通でも、引越し先が普通でないという意味で特殊なのが海外への引越し。または海外からの引越し。日本は島国ですから、海外に移動するとなると必ず海を越えないといけません。ヨーロッパのように陸続きの国へ引っ越すということであればトラックに積み込んで運ぶだけなので日本国内の引越しと大差はありません。ですが海外となると飛行機や貨物船に荷物を載せて運ぶ必要がありまあす。それほど件数があるわけではないので大々的に宣伝されることはありませんが、海外引越しを頼める引越し業者はたくさんあります。筆者の身近な人が日本からアメリカへの引越しを経験しましたが、引越し業者に全部任せていれば日本国内の引越しとそれほど手間は変わらなかったと言っていました。ただひとつ問題なのは荷物の運送に時間がかかることだけで、生活にすぐ必要なものだけは空輸して、残りのものは船便で送るなどで工夫したそうです。